2014年1月26日日曜日

カフカのオスカー・ポラックへの手紙

「ぼくは、自分を咬んだり、刺したりするような本だけを読むべきではないかと思っている。

もし、ぼくらの読む本が、頭をガツンと一撃してぼくらを目覚めさせてくれないなら、


いったい何のためにぼくらは本を読むのか? 


きみが言うように、ぼくらを幸福にするためか? 


やれやれ、本なんかなくたってぼくらは同じように幸福でいられるだろうし、


ぼくらを幸福にするような本なら、必要とあれば自分で書けるだろう。


いいかい、必要な本とは、ぼくらをこのうえなく苦しめ痛めつける不幸のように、


自分よりも愛していた人の死のように、


すべての人から引き離されて森の中に追放されたときのように、


自殺のように、ぼくらに作用する本のことだ。


本とは、ぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなければならない。」



(親友オスカー・ポラックへの手紙 1904年1月27日)


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