たばこをやめる気運はとどまるところを知らず、
自分もまたやめた手前、それに異を唱えようとは思わない。
しかしながら、「兎にも角にもたばこが全ての原因」
みたいな錯覚を起こさせるような広告に対する憤り
はむしろやめる前にも増して感じるのである。
例えば副流煙が喫煙以上に体に悪い、という言説がある。
これは僕に、今現在たばこの箱に書かれている
「肺癌になる可能性が1.7倍高くなる」 というアナウンスが
15年程前は34倍と言われていた事を思い出させる。
これはマウスの実験結果をそのまま人間に
当てはめていたかららしいが、今我々が当時より
こういった情報の裏、言質を取る習慣が増えたようには
とても思えないのである。
肺癌や喉頭癌の原因、というのも、
例えば、同じく10年くらい前に、肺癌患者の7割が喫煙者、
という記事があったが、これも当時の成人男性の喫煙率を
当てはめると(7割強)、 非喫煙者が肺癌に罹る割合と、
2倍以上の数値は見いだせない事がわかる。
無論、喫煙行為が健康を害し、自他共に発癌性を促進させる
可能性が高く、その一部について証明されている事については
全く異論はない(上記のマウスのようなケースもあるが)。
しかし、情報の出どころも示さず、数字上のトリックで
印象を操作し、かつ社会の他の問題と敢えて混同させる
ようなやり方はそれがどれ程手段として有効であり
又目的が社会に有用であっても是としてはならない。
それはたばこが体に悪いかどうか以前の問題なのだ。
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